■ 実際どうしてます?LINEで決済してますか?
LINE運用の相談を受けていると、
よくこんな質問をされます。
「LINEで決済まで完結させたほうがいいんですか?」
これ、最初に聞くと
「たしかにワンストップで完結して便利そう」
と思う人が多いんですが、
実は現場の実態はまったく逆です。
僕の運用している案件や周囲のLINE運用者を見ても、
LINE内で決済まで組み込んでいるケースは“全体の10%以下”。
感覚じゃなく、実務の肌感でこれくらい。
じゃあなんで “10%以下” なのか?
便利そうなのに、なぜ使われていないのか?
その理由はすごくシンプルです👇
ユーザー側は「LINEで決済できること」を
そもそも求めていないから。
「え、そうなん?」と思う人もいるかもしれません。
でも実際には、これが非常に大きな理由になっています。
■ なぜユーザーはLINEで決済したがらないのか?
LINEは
- 友だちとの連絡
- お知らせを受け取る
- クーポンをもらう
- 情報を確認する
など、“コミュニケーションの場” として使っている人が大半。
だからユーザー心理としては、
- 「決済はいつものサイトのほうが安心」
- 「商品説明やレビューをちゃんと見たい」
- 「LINEは連絡ツール」
- 「お金関係はLINEで全部やりたくない」
こういう意識が強い。
つまり、
LINE=連絡手段
決済=ちゃんとしたページで
これが一般ユーザーの自然な行動導線。
運用者側が思う
「LINEだけで完結したら便利そう!」
とはまったく違う認識なんです。
■ LINE内での決済完結が“向いていない”ケースが9割
多くの業種では、LINE決済を入れてもほとんど意味がありません。
例えば:
✗ EC系(物販)
→ 詳細ページ・レビュー・写真・送料案内などが必須。
LINEでは情報が足りない。
✗ 店舗系(美容院・整体・飲食)
→ 予約はLINEでよくても、決済は外部のほうが安心される。
✗ 教室・スクール系
→ コースが複雑な場合はLINE内では説明が足りない。
✗ サービス販売系
→ 商品ページが必要。LINEだけでは不安が残る。
共通しているのは、
ユーザーの「買う理由」がLINE内だけでは作れない
ということ。
無理にLINEで完結させると、
お客さんに届く情報が減ってしまい
かえって成約率が下がることのほうが多い。
■ 逆に、LINE決済が“刺さる”10%の業種
一方で、LINE決済が効果的な業種も確実に存在します。
傾向としては 「人がサービスを買う」ジャンル。
◎ コーチング
◎ 占い
◎ オンラインセッション
◎ 教室を持たない“先生業”
◎ 個人カウンセラー
◎ Zoom相談/個別対応の職種
こういう“1対1型”サービスの場合、
- LINEで相談
- 無料ステップ配信で関係性が深まる
- そのまま決済
- そのまま日程調整
という流れがとても自然。
ここだけ、LINE決済は刺さる。
つまり、
LINE決済は“機能があるから使う”のではなく、
適性がある業種だけに使うべき機能。
■ そもそもLINE公式アカウントの役割は「フィルタリング」
LINE公式アカウントの本質的な強みは、
決済ではなく“フィルタリング機能”にあります。
- 認知が広い
- 開封率が高い
- ステップ配信で教育できる
- リッチメニューで案内できる
- 興味層を絞り込める
ここが本丸。
だから本来の導線は
なにかしらの流入元⇀LINEで興味層を抽出 → 外部のLP・EC・決済ページへ案内
これが最も成果の出るパターン。
LINEに全部を詰め込むのは
“便利そうに見えるだけ”で、
ユーザーの行動設計としては不自然。
■ 今後、LINE決済は増えるのか?
正直なところ、
現時点(2024〜2025)では 10%に満たない 利用率。
ただし、サービスがオンライン化するほど
以下のような動きは強まる可能性があります。
■ 今後増える可能性がある理由
- 個人サービス(コーチング・占い)が拡大
- LINEを起点にした関係性ビジネスが増加
- オンライン完結型コミュニティが増える
- オフラインよりオンラインサービスが主流化
つまり、
“1対1型ビジネス” が増えれば、
LINE決済は今後広がっていく可能性は十分ある。
でも、それはあくまで 業種次第。
■ まとめ:LINE公式アカウント内での決済は「全員が使う機能」ではない
- 実務だと10%以下しか使っていない
- ユーザーはLINEで決済したいとは思っていない
- 多くの業種は外部の購入ページのほうが自然
- 刺さるのは“1対1型サービス”のみ
- 今後増える可能性はあるが、業種限定
結論としては:
LINE決済は“必要な人だけが使えばいい機能”。
無理に全員が取り入れる必要はない。
LINEはあくまで
「入口」+「フィルタリング」+「案内役」。
この前提を理解したうえで
自分のビジネスに必要かどうか判断するのが正解です。

