LINE公式の認証済アカウントは、ビジネスの信頼性を高め、集客を強化する強力なツールです。
ここでは、その仕組みやメリット、取得方法、注意点までを詳しく解説します。
LINE公式アカウント認証済/未認証の2つのタイプを知ろう

LINE公式アカウント公式サイトより
LINE公式アカウントには、未認証アカウントと認証済みアカウントの主に2種類があります。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
①未認証アカウント(灰色のアイコン)
誰でもすぐに開設できます。
個人・法人を問わず、審査は不要です。メッセージ配信やチャットなど基本的な機能が使えます。
既存顧客との連絡がメインの場合も未認証で十分と言えます。
② 認証済アカウント(青色のアイコン)
LINEヤフー株式会社の審査を通過したアカウントです。
アカウント名に青色の認証バッジが付きます。 このバッジが「公式」である証です。
LINEアプリ内で検索表示されます。
一部の特別な機能も使えます。
補足:プレミアムアカウント(緑色のアイコン)
これは最上位のアカウントです。
LINEヤフー社が優良と判断した場合に、自動で付与されます。
申請することはできません。
LINE公式アカウント認証済の8つのメリット
審査は少し手間がかかりますが、取得することで多くのメリットがあります。
①LINE公式アカウント認証済で信頼度がアップ
青いバッジは「公式」を示すため、ユーザーに安心感を与えます。
そのため、詐欺や偽アカウントへの懸念を軽減し、友だち追加のハードルが下がります。
②ユーザーがLINEアプリ内で検索が可能になる
未認証アカウントはIDがないと見つかりませんが、承認済アカウントは店舗名や業種名で検索してもらえます。
また、「地域+業種名」での検索も可能なため、新規顧客との接点が大幅に増えます。
③「友だち追加広告」が使えるようになる
LINEアプリ内(トークリストやLINE NEWS、LINE VOOMなど)で広告を出せます。
ターゲット層に直接アプローチできるため、効率的にフォロワーを増やせます。
④LINE公式の利用料金について、請求書決済が可能になります
有料プランの支払いは通常はクレジットカード払いのみとなりますが、認証アカウントでは請求書決済が利用できます。
BtoB取引や法人会計で便利です。
⑤販促用ポスターやノベルティが増えます
案内用のLINE公式キャラクター入りポスターを無料でダウンロードできます。
三角POPやラミネートパネルなども購入可能です。
店舗での友だち追加を促進できます。
⑥メンバーシップ機能が使えます
LINE公式アカウントでサブスクサービスが作れる「メンバーシップ機能」が使えます。
ターゲットリーチ200人未満でも利用可能です。
顧客との長期的な関係構築に役立ちます。
⑦リサーチで「自由回答」が使えます
アンケート調査の選択肢が増えます。
顧客の具体的な意見を深く引き出せるため、マーケティング戦略やサービス改善に活かせます。
⑧LINE関連サービスに情報が掲載されます
アカウント情報がLINE公式アカウント一覧ページに載ります。
「LINEクーポン」などにも表示可能です。
友だち以外のユーザーにもアプローチできます。
LINE公式アカウント認証済の取得時の注意点
メリットは多いですが、知っておくべきこともあります。
LINE公式アカウント認証済みアカウント取得のデメリット
デメリットは次の3つです。
- アカウント凍結のリスク
- クローズドな運用に不向き
- 審査手続きのハードルが高い
それぞれ説明していきます。
アカウント凍結のリスクがある
LINEの規約に厳密に従う必要があります。
そのため、審査の際に、規約違反が発覚した場合はアカウントが凍結される恐れがあります。
特に無形商品やグレーゾーンのビジネスは要注意です。
クローズドな運用に不向き
検索結果に表示されるため、クローズドな運営には不向きです。
不特定多数に認知されたくない場合は、未認証アカウントの方が良いこともあります。
審査手続きのハードルが高い
事業者情報や本人確認書類が必要なので、準備に手間がかかる場合があります。
LINE公式アカウント認証済の具体的な審査基準
LINEヤフー株式会社では、以下の5つの審査基準に基づいて認証済アカウントの審査を行います。
①LINEユーザーの不利益につながる可能性がないか
ユーザーに害を与える可能性のあるサービスや商品は審査を通過できません。詐欺的な内容や誤解を招く表現は避けましょう。
②法令における規制の有無と規制内容に抵触するものでないか
各種法令に違反する業種やサービスは認証されません。特に以下の分野は要注意です
- 薬機法に関わる医療・健康関連
- 金融商品取引法に関わる投資関連
- その他業界特有の規制
③利用規約第18条「禁止行為」各号に該当するおそれがないか
LINE公式アカウントの利用規約で禁止されている行為に該当しないかをチェックされます。
④当社が独自に定める審査基準を満たすか否か
最も重要なポイントとして、LINEが独自に設定している非公開の審査基準があります。この基準は明示されていないため、申請してみなければ分からないのが現状です。
⑤当社の事業へ悪影響を及ぼす、あるいは当社の信用を損なうものでないか
LINEブランドのイメージを損なう可能性のあるサービスや商品は認証されません。
認証されない業種・サービスの具体例
以下の業種・サービスは、そもそもLINE公式アカウント自体を開設できません
■出会い関連
- 街コンイベント会社
- 相席居酒屋
- 出会いパーティー
- ライブチャット
- インターネット異性紹介事業
■アダルト関連
- 性風俗店
- メンズエステ
- アダルトショップ
- ストリップ劇場
- 膝枕耳かき店
- JKビジネス
■連鎖販売取引
- ねずみ講
- マルチ商法・MLM
- ネットワークビジネス
■問題のある販売方法
- 人間の不安・不幸・射幸心につけ込んだ販売
- 違法とされる営業方法での販売
- 科学的根拠が乏しい商品の販売
審査基準のポイント
- まず、審査は無料で何度でも再申請可能
- また、審査期間は通常10営業日程度(混雑時はより長期化)
- ただし、具体的な審査基準は非公開のため、申請してみなければ分からない
- さらに、審査結果の詳細な理由は説明されない
審査に通らない主な3つのパターンと具体的な対策
闇雲な申請では通りません。
主な原因と対策を知りましょう。
①アカウント名に個人名を使用している
認証済アカウントは、主に企業や団体での利用を想定しています。
ブランド名や企業名を使用しましょう。
また、申請後のアカウント名変更は原則できません。
②LINEの規約を遵守していない
特定のサービスや商品は制限されています。
事前に利用規約をしっかり確認しましょう。
- 成人向けコンテンツ
- 出会い系
- 特定の医療関連サービス
- MLM
- 情報商材
③自社の公式サイトが不十分である
完成度が高く、事業内容が明確なサイトの提出が必要になります。
未完成や内容が薄いサイトはNGです。
連絡先、事業内容、サービス詳細を記載しましょう。
正しい連絡先を提供する
確認の連絡が来る場合があるため、日常的に使う電話番号とメールアドレスを記入してください。
PCのメールアドレスやフリーメールが安心です。
審査は通常5~10営業日かかります。
混雑時はさらに長引くことも。
LINE公式アカウント認証済の申請手順

具体的な申請ステップを見ていきましょう。
LINE公式アカウントにログイン
- 申請したいアカウントにログインします。
- Web版なら「設定」ボタンを押します。
- アプリ版ならメニューの「設定」をタップします。
「アカウント認証をリクエスト」をクリック
必要事項を入力し、「確認する」をクリック
- 認証申請ページで、業種、店舗情報、会社情報、申込者情報など必須項目を正確に入力します。
申込者情報は、本人確認を行う方の情報です。 - 入力後、「確認する」から内容を最終確認し、「完了」を押します。
アカウント名には、店舗の正式名称を。認証審査申請後にアカウント名の変更はできません。
審査結果を待つ
- 申請受付後、申込者メールアドレスに確認メールが届きます。
- 数日後に本人確認審査のメールが来ます。
- メール本文を引用し、期限内に返信しましょう。
- 本人確認が完了すると、最終審査結果が通知されます。
- 承認されれば、認証済アカウント取得完了です
認証済アカウントは今すぐ取るべき?
すべての事業者に認証が必須ではありません。
ビジネス状況に合わせて判断しましょう。
認証を目指すべきタイミング
以下の場合には、積極的に認証を目指すべきです。
信頼性重視の業種
医療、教育、金融などの業種は認証アカウントがおすすめです。
なりすましリスクを軽減し、安心感を与えます。
LINE内での検索流入を狙う場合
「地域+業種名」での集客を狙う場合は、認証アカウントを取得しましょう。
飲食店、美容室、小売店などの来店型ビジネスに有効です。
LINE友だち追加広告を利用したい場合
友だち追加広告は認証済アカウント限定機能です。
アカウントを開設しただけでは友だちはなかなか増えないため、効率的に増やすには広告の活用が効果的です。
未認証アカウントでも十分な3つのケース
以下のような状況なら、未認証アカウントで運用するのも賢明です。
開設直後で、まずはお試しや仕組み作りが目的の場合
- いろいろな機能を試したい場合
- 友だち集めの基盤固めが目的の場合
上記に当てはまる場合は未承認アカウントでも不都合はありません。
小規模で地域密着型のビジネスの場合
- 常連客がほとんどの飲食店やサロン
- 既存顧客とのコミュニケーションがメインの場合
すでに信頼性が十分に担保されている場合は未認証でもOKです。
クローズドなコミュニティで活用したい場合
- IDやQRコードを教えた人だけに友だちになってほしい場合
検索表示されない未認証アカウントが適しています。
審査に落ちても大丈夫!再申請のコツ
万が一審査に落ちても、再申請は可能です。
原因を分析し、改善してから再チャレンジしましょう。
よくある審査落ちの原因
ウェブサイトやSNSが未整備、または内容が薄い。
企業の実態が確認できないと判断されます。
事業内容がLINEのガイドラインに抵触している。
禁止業種・サービスは通過できません。
- 成人向けコンテンツ
- 出会い系
- 特定の医療関連サービス
- MLM
- 情報商材
個人名義での申請で、実態が確認しにくい。
法人登記がなくても、透明性を示す情報が必要です。
登録情報に不備がある
法人名、代表者、事業内容など、入力ミスや曖昧な表現は避けましょう。
再申請前の対策
不承認通知が届いたら、以下の点を改善しましょう。
ウェブサイトを見直す
会社概要、代表者名、所在地、事業内容を明確に記載しましょう。
LINEアカウントのプロフィール・説明文を整備する
アカウント名、画像、紹介文に一貫性を持たせましょう。
企業らしい丁寧な表現に整えます。
メールアドレスを確認する
独自ドメインのメールアドレスが望ましいです。
普段から連絡が取れるものにしましょう。
ガイドラインを再確認する
自社の業種やサービスが違反していないか、厳しくチェックしましょう。
申請者名義や情報の変更を検討する
必要なら法人名義に変更も検討しましょう。
まとめ
LINE公式アカウントの「認証済アカウント」は、単なるバッジの色以上の価値があります。
ビジネスの信頼性を高め、集客やマーケティングの可能性を広げる強力なツールです。
検索表示の対象となり、新規顧客との接点が増えます。
また、友だち追加広告や請求書決済など、便利な機能も解放されます。
審査はありますが、事業内容をしっかり整え、規約を遵守すれば、個人事業主でも取得は可能です。
ただし、「認証取得」がゴールではありません。
そのアカウントをどう活用するかが成果につながります。
あなたのビジネスのフェーズや目的に合わせ、「今、認証済アカウントは必要なのか?」を見極めることが重要です。
もし迷ったり、審査に不安がある場合は、専門家のアドバイスを受けるのも良いでしょう。
ぜひ、認証済アカウントを検討し、LINEを通じた新たな可能性を広げましょう。