皆さん、こんにちは!LINE公式アカウントは、今やビジネスに必須のツールですよね。顧客とのコミュニケーションを深める上で、非常に強力な存在です。
しかし、ただ使うだけでは不十分です。運用ルールをしっかり理解することが、成功への近道であり、トラブルを未然に防ぐカギとなりますよ。
今回は、LINE公式アカウントを安心・安全に、そして効果的に運用するための基礎を解説します。
LINE公式アカウント運用(LOA)のガイドラインと利用規約が重要な理由
LINEは、子どもから大人まで幅広い年代の人々が毎日利用しています。私たちの生活に深く浸透したプラットフォームといえるでしょう。
LINEヤフー株式会社(以下「当社」と記載)は、配信される広告を非常に重視しています。
重視する点は以下の通りです。
- ユーザーがどう思うか。
- 必要な情報を適切な形で提供しているか。
- 不快に感じないか。
- 安心・安全にサービスを利用できているか。
これらの基準やルールを守ることは、ユーザーからの信頼を得るためにも大切です。
もしガイドラインに違反すると、以下の対応が取られる可能性があります。
- 配信内容の修正・削除。
- サービスの提供停止。
- アカウントの提示・削除
こういったことを避けるため、きちんとルールを理解し、遵守しましょう。
2. 最低限知っておきたいLINE公式アカウントの利用規約
LINE公式アカウントの利用規約には、基本的なルールがあります。
特に第19条には、アカウントが停止される可能性のある行為が定められています。
- 利用開始後に申込拒否事由が判明した場合。
- 第18条の禁止行為(スパムなど)に抵触した場合。
- 不正な目的でLINE公式アカウントを利用した場合。
- お客様に信用不安が発生したと当社が判断した場合(例:破産申し立てなど)。
- 当社の責任ではない理由で、お客様と連絡が取れない場合。
- 1年以上アカウントにアクセスしていない場合。
- その他、当社が不適切と判断する行為があった場合。
これまで築き上げた友だちデータやメッセージ履歴など、すべての情報が失われます。細心の注意が必要です。

3.基本的な「禁止事項」
LINE公式アカウントを運用する上で、以下の内容や行為は厳格に禁止されています。
- 反社会的なコンテンツ、または反社会的勢力に対する利益供与。
- クリック報酬を目的とする行為、悪質なマーケティング、スパム行為。
- 意図的に虚偽の情報を流布させる行為。
- 当社または第三者の知的財産権、名誉権、プライバシー権などを侵害する内容。
- 広告主やクリエイティブと直接関係のないページへ遷移させる行為。
- 誹謗中傷や名誉毀損、公序良俗や社会通念に反するおそれのある内容。
- 第三者の個人情報などを不正に収集、開示、または提供する行為。
- 暴力的な表現、露骨な性的表現、差別につながる内容。
- 醜悪、残虐、猟奇的で不快感を与える内容。
- ポルノ、性行為やわいせつな行為を目的としたもの。
- 面識のない第三者との出会いや交際を目的とする内容。
- 特定の宗教、思想に関する内容。
- 訴求するサービス、商品が不明瞭な内容。
- 投機心、射幸心を著しくあおる内容、ギャンブル性を感じる表現。
- 非科学的、迷信に類するものでユーザーを惑わせる、または誤認させる可能性がある内容。
- ネットワークビジネス、ねずみ講などに関わる内容。
- チャリティや募金として寄付金を収集する目的の内容。
これらは禁止事項のほんの一部です。特に悪質だと判断されるものは、アカウント停止に直結する可能性があります。
4. トラブルを避けるための運用の注意点
ガイドラインや利用規約の遵守はもちろん大切です。しかし、日々の運用で気をつけるべきポイントもいくつかあります。
4.1 アカウント停止・削除のリスク
前述したように、LINEの利用規約に違反した場合、アカウントが停止される可能性があります。
また、長期間(1年以上)アクセスしなかった場合も停止されます。
アカウントが停止されてしまうと、これまでの友だちリストやメッセージ履歴など、全てのデータが失われてしまい、復活はできません。
4.2 メッセージ配信の注意点
長文メッセージを避ける
- LINEのメッセージは短文が好まれる
- 長文は読み飛ばされやすく、ユーザーの興味を失わせる
ブロックされるリスク
- 「不要な情報ばかり届く」と感じられるとブロックされる
- メッセージ頻度が高すぎてもブロックリスクが上昇
- 一般的なブロック率は30〜35%程度(参考値)
配信メッセージの取り消し・削除は不可
- 一度一斉配信したメッセージは、送信後に取り消したり削除したりすることができません。
- 誤った情報や不快な表現が含まれていないか、テスト配信機能などを活用して複数人で徹底的に確認しましょう。
4.3 アカウント設定の注意点
認証済みアカウントは名称変更できない
- 認証済みアカウントとして一度設定したアカウント名は、後から変更することができません。
- 審査を申し込む前に、ユーザーに分かりやすく、変更の必要がないアカウント名を慎重に選びましょう。
4.4 チャット履歴の保存期間
チャット履歴の保存期間に注意
- LINE公式アカウントのチャット履歴には保存期間が設定されています。
- PDFなどのファイル: 1週間。
- 画像、ビデオ: 2週間。
- テキスト、スタンプ: 1年。
- 重要なデータは、期限が来る前にダウンロードして保存しておく必要があります。
4.5 運用内容変更時の再審査
運用内容変更時は再審査が必要
- 配信される内容が変更される場合は、再審査が必要になることがあります。
- 審査の結果によっては、広告を掲載できない場合があることを覚えておきましょう。
4.6 ターゲットユーザーの特性
スマホユーザー以外にアプローチしにくい
- LINEは主にスマホアプリです。
- PCやタブレットユーザーをターゲットとする場合、LINE公式アカウントだけでは不十分な可能性があります。
- 他のSNSやウェブサイトなど、複数のチャネルを組み合わせて集客を検討することをおすすめします。
5. まとめ:安心して効果的に運用するために
LINE公式アカウントは、幅広いユーザーにリーチできる強力なツールです。メッセージ配信、チャット、リッチメニュー、クーポンなど多機能な点も魅力です。
しかし、そのパワーを最大限に活かすには、ガイドラインや利用規約を正しく理解し、常に遵守することが大前提となります。
- 目的を明確にしましょう。
- ターゲットに合わせたコンテンツを。
- 適切な頻度とタイミングで配信しましょう。
- 効果を分析し、改善するPDCAサイクルを回すことも重要です。
常にユーザー目線を忘れず、価値ある情報提供と親しみやすいコミュニケーションを心がけましょう。これがアカウントの成長とユーザーとの良好な関係を築く鍵です。
これらの基礎知識をしっかりと身につけ、あなたのLINE公式アカウント運用を成功させましょう!
付録:広告配信に関する詳細ガイドライン
以下は、「LINEで応募」などのキャンペーン機能や広告配信を行う際の詳細な審査基準です。該当する運用を行う場合は必ず確認してください。
「LINEで応募」とは
LINE公式アカウントと連携する「LINEで応募」というサービスがあります。これには広告配信に関する具体的な審査基準があります。
この「LINEで応募審査ガイドライン」は非常に重要です。LINE公式アカウントの利用規約と矛盾・抵触する場合、このガイドラインが優先されます。
A. 広告配信の審査基準(「LINEで応募審査ガイドライン」より)
広告を掲載するにあたっては、以下の基準が総合的に判断されます。
- LINEユーザーの不利益につながる可能性がないか。
- 法令に抵触する可能性はないか。
- 利用規約に抵触していないか、またはその恐れはないか。
- 当社が独自に定める審査基準を満たしているか。
- 当社の事業へ悪影響を及ぼすものでないか。
- 当社の信用を損なうものでないか。
もしこれらの基準を満たしていないと判断された場合、当社の裁量で掲載を断られることがあります。
A.2 ご利用いただけないお客様
特定の法人、団体、個人はLINE公式アカウントや関連サービスを利用できません。
- 犯罪に使用されるおそれのある商品やサービスを提供している。
- 不法行為や犯罪行為を構成、または助長するおそれがある。
- 他人の個人情報や利用履歴などを不正に売買・仲介・斡旋などを行っている。
- 法令または公序良俗に反する行為を行っている、または行うおそれがある。
- その他、LINE運営会社が利用不適当と判断する。
利用開始後にこれらに該当することが判明した場合、アカウントの削除や契約解除となることがあります。
A.3 出稿できない業種・サービス
当社ポリシーにより、LINE公式アカウントの利用が認められない、または契約解除となる特定の業種・サービスが存在します。
- 宗教関連。
- エステ(一部除く)。
- ギャンブル関連、パチンコ等。
- アダルト関連。
- 出会い系、マッチングサイト等(一部除く)。
- 連鎖販売取引(マルチ商法)。
- 探偵業。
- たばこ、電子タバコ。
- 武器全般、毒物劇物。
- 政党。
- 公益法人、NPO/NGO、社団法人(一部除く)。
- 生体販売。
- 医療系、美容整形系、ホワイトニング、病院・クリニック、特定疾患の啓蒙サイト(一部除く)。
- 整骨院、接骨院、鍼灸院等。
- 未承認医薬品・医療機器等。
- 消費者金融などの貸金業、質屋(一部除く)。
- ネット関連ビジネス(情報商材、自己啓発セミナー等)。
- 募金、寄付、クラウドファンディング等の資金調達(一部除く)。
- その他、当社が不適合と判断した業種・業態、商品・サービス。
これらの業種に該当しない場合でも、利用を断られることがあります。心配な場合は事前に確認することをおすすめします。
B. 広告掲載にあたって規制や基準がある商材3選
特に注意が必要な商材として、以下のものが挙げられます。これらは法令や広告表示規制に準拠する必要があります。
医薬品、医薬部外品、医療機器、化粧品等
医薬品医療機器等法や適正広告基準に基づき厳しく制限されています。
- 承認されていない効能効果の暗示・明示
- 医学用語の誤用(「診断」「治療」など)
- 使用前後の写真による安全性の保証表現
- 絶対的・最大級表現
- 「個人の感想」と付記しても、効能効果を保証する表現
食品、健康食品
食品はあくまで「食品」です。
- 病気の治療を目的とするような表示
- 医薬品と誤認されるような効能効果の表示・広告
- 「免疫力を高める」
- 「脂肪を燃焼する」
- 「病気を予防したいあなたへ」
- 「食べても太らない痩せ体質に」
健康器具、美容関連器具(雑貨)
医療機器として承認されていない器具が、医療機器と誤認されるような効能効果を表示・広告することはできません。
- 「余分な脂肪を分解」
- 「シェイプアップに効果的」
- 「血液循環を促進」
これらの商材を扱う場合は、表現一つ一つに細心の注意を払いましょう。
C. クリエイティブガイドラインの9つのポイント
広告のクリエイティブ(画像やテキスト、動画など)にもルールがあります。
広告の主体者の明示
- 常に広告主を明確に表示しましょう。
- 画像の場合は視認可能な大きさで示しましょう。
リンク先の制限
- アカウントやクリエイティブと直接関係のないページへのリンクはできません。
第三者が権利を有するものの利用
- 著名人の氏名や画像、著作権、商標権などを無断で使用することは禁止です。
不当表示に該当する可能性のある表現
- 実際よりも良く見せかける「優良誤認表示」は掲載できません。
- 有利であると誤認させる「有利誤認表示」も不可です。
- 「世界初」「業界ナンバー1」などの最大級表現を使う場合、データ出典元や調査年を明記し、正確な引用であることが条件です。
投機心や射幸心を煽る可能性のある表現
- 「確実に大金が手に入る」「絶対に稼げる」といった表現は禁止されています。
LINEロゴ利用ガイドラインの規定に抵触する表現・内容の配信の禁止
- LINEのロゴやキャラクターなどを利用する際は、公式ガイドラインを遵守しましょう。
- ユーザーが当社公認コンテンツと誤解するような表現は避けましょう。
- 特にLINEキャラクターの利用は原則禁止されています。
「友だち」の表記
- LINE公式アカウントとユーザーが繋がっていることを指す場合は「友だち」と表記するようにしましょう。
未承認のLINE公式アカウント、個人・グループのLINEアカウントへの誘導
- アカウントやクリエイティブと直接関係のないページへのリンクはできません。
- これらへのディープリンク(直接遷移するリンク)は掲載できません。
不適切な広告の禁止
- 性行為やわいせつな行為を目的とする広告は禁止です。
- 面識のない第三者との出会いを目的とする広告も禁止です。
D. 必須の表示事項7つの例
消費税に関する表示
- 消費税法に定められた表示義務を遵守しましょう。
- ユーザーが誤認しないよう明確に表示しましょう
通信販売
- ランディングページ内に特定商取引法に基づく表記(またはそのリンク)の記載が必要です。
中古品販売、買取サービス
- 古物商の許可番号と公安委員会名を記載しましょう。
人材派遣・有料職業紹介会社
- 厚生労働省の許可・届出番号を記載しましょう。
医療機器(コンタクトレンズ等)
- 医療機器承認番号と医療機器製造販売承認番号を記載しましょう。
未成年への配慮
- アルコール飲料に関する内容配信時は「お酒、飲酒は20歳を過ぎてから」などの文言を記載しましょう。
- 公営競技も未成年への配慮が必要です
金融関連
- 監督官庁への登録確認が必要です。
- 費用・取引リスクの明確な表示が求められます。
- 投機を煽る表現は禁止です。
- 各種関連団体の広告自主基準等を遵守しましょう。