LINE公式アカウント運用者が知るべき!景品表示法とステマ規制の徹底解説

LINE公式アカウントの運用者さんへ。あなたの広告表示は「大丈夫」ですか?近年、広告に関する法律は厳しくなっています。

特に景品表示法」と「ステマ規制は重要です。知らずに違反すると、大きなリスクを伴います。

この記事では、これらのポイントを分かりやすく解説しますので、ぜひしっかりとマスターしてくださいね。

目次

景品表示法とは?基本を理解しよう

景品表示法の正式名称は、「不当景品類及び不当表示防止法」といいます。

この法律は、一般消費者を惑わす広告を規制するために作られました。豪華な景品や、不正確な広告が対象となります。

適切な商品を選べるように消費者を守ることが、この法律の目的ですよ。消費者の自主性や合理性を保護するのです。

景品表示法には、以下の二つの柱があります。

  • 景品規制:過剰な景品で消費者を釣らないようにします。景品の最高額や総額を制限しています。
  • 表示規制:商品やサービスに関する誤解を招く表示を禁止します。品質、価格、取引条件などが対象です。

知らないと危険!ステマ規制の基本

ステマとは、ステルスマーケティングの略です。広告だと消費者に隠して宣伝する手法を指します。まるで第三者の客観的な意見に見せかける行為です。これは「やらせ」や「サクラ」のようなものです。

以前は、ステマを直接取り締まる法律はありませんでした。しかし、2023年10月1日から規制対象となりました。現在は、ステマは景品表示法の「不当表示」として明確に規制されます。

ステマは主に2つのパターンに分けられます。

  • なりすまし型:事業者が一般消費者を装います。自社の商品やサービスを絶賛する口コミを行います。企業の担当者が架空アカウントで褒める例です。
  • 利益提供秘匿型:企業がインフルエンサーに報酬を提供します。その事実を隠して投稿してもらうパターンです。

このような手法は消費者の判断機会を奪い、消費者が不利益を被る可能性があるため、規制が導入されました。

違反した場合の罰則とリスク

景品表示法やステマ規制に違反すると、企業は大きなリスクを負います。

1. 行政指導と措置命令

  • 行政指導:書面で注意喚起されます。基本的には公表されません。
  • 措置命令:違反行為の停止が命じられます。再発防止策の実施も必要です。消費者への周知も命じられます。消費者庁や都道府県のウェブサイトで公表されるため、社会的な影響は甚大です。

2. 課徴金納付命令の強化(2024年10月1日施行)

  • 課徴金:違反で得た売上の3%が徴収されます。
  • 強化内容
    • 過去10年以内に課徴金を受けた事業者は、課徴金が1.5倍になります
    • 売上金額の推計規定も導入されます。算定困難だったケースにも適用されます。
  • ステマ規制自体に課徴金は適用されません。しかし、信用失墜による売上減少のリスクは大きいです。

3. 直罰規定の導入(2024年10月1日施行)

  • 以前は措置命令違反で刑事罰でした。
  • 改正により、景品表示法違反でいきなり刑事罰が科されます
  • 最悪の場合、逮捕される可能性もあります。2年以下の懲役または300万円以下の罰金です。
  • 悪質なケースでは100万円以下の罰金です。措置命令を経ずに科されることもあります。

4. レピュテーション(信用)の著しい低下

  • 処分を受けると企業の評判が悪化します。売上が激減することもあります。
  • 最悪の場合、破産に至る企業も存在します。不合理な主張も内容まで公表されます。

LINE公式アカウント運用で特に注意したいポイント

SNSマーケティング、特にLINE公式アカウント運用では注意が必要です。

1. 広告表示を明確にする

インフルエンサーやアフィリエイトなどで宣伝する際、「広告である」ことを明確に表示しなければなりません。

文言の例
  • 「広告」、「PR」、「宣伝」
  • 「#AD」、「タイアップ投稿」、「プロモーション」
  • 「〇〇者から商品の提供を受けた投稿です」

表示の仕方

文字が小さすぎたり、目立たない配置はNGです。他のハッシュタグに埋もれるのも避けてください。動画の場合はテロップ表示が短時間でないかなど、配慮が必要です。

ギフティングの場合

無償で商品を提供しレビューを依頼した場合も、投稿時には「広告」「PR」などのハッシュタグを依頼しましょう。

2.第三者の制作物も広告主の責任

景品表示法の規制は自社サイトが基本です。

しかし、広告運営を他社に委ねた場合。その委託先のサイトも規制対象です。

アフィリエイトサイトや広告代理店が作成したページで誇大表示があれば、広告主も処分の対象になります。

SNS投稿の引用

インフルエンサー投稿にPR明示があっても、自社サイトなどで引用・転載する際、それが「事業者の表示」であると不明瞭な場合はステマ規制違反です。転載時はPRを明瞭に示すか、引用しない注意が必要です。

チェック体制

他者に広告作成を委ねた場合でも、広告主側が内容を把握し、審査基準を設けましょう。

3. レビュー管理の公平性

ECサイトなどのレビュー管理も重要です。

高評価の誘導や低評価の削除はNGです。公平性を損なう行為は絶対にいけません。

サクラレビューは不正

報酬を払って「サクラ」のレビューを依頼することは。不正行為と見なされます。

4. 社員の投稿にも注意

広報担当者だけでなく、社員の投稿も注意が必要です。

社員が個人的に自社製品を投稿する場合。ステマと見なされる可能性があります。

明示の義務

企業名や社内での立場を明記しましょう。あくまで個人的な意見だと明らかにしましょう。

5. 機能性表示食品の誇大広告

機能性表示食品の広告は措置命令が増加中です。特に注意しましょう。

「国が認めた」はNG

「国が痩せると認めたサプリ」や「消費者庁が認定した」などのフレーズです。届け出制の食品では事実と異なります。消費者庁は審査を行いません。

届け出範囲の遵守

広告は届け出た表示の範囲内で行いましょう。外見上の変化を謳う痩身効果などは違反と判断されることがあります。

違反しないための企業の対策ステップ

これらの規制を遵守し、リスクを避けるための対策について解説します。

STEP
法律・ガイドラインの内容を理解し、社内ルールを整備する

法令知識の習得

景品表示法だけでなく。薬機法や医療法など、広告に関する法律を深く理解しましょう。

社内ガイドラインの構築

広告制作には多くの人が関わります。社内で法令遵守の方針を文書化しましょう。明確なガイドラインを整備し、全スタッフに周知・啓発が必要です。具体的な項目を設定しましょう。

定期的な研修

スタッフが正確に理解し実践するために不可欠です。定期的な研修やワークショップを実施しましょう。

STEP
掲載内容を常に監視する

アフィリエイターやインフルエンサーに依頼後も、「契約して終わり」ではありません。

定期的な監視

不正確な情報がないか確認しましょう。誤解を招く内容がないか確認しましょう。

過去投稿も対象

ステマ規制は2023年9月30日以前の投稿も対象です。既存コンテンツの点検を早急に行いましょう。

迅速な対応

問題が見つかれば速やかに訂正しましょう。必要に応じて公式声明を発表し、信頼回復に努めましょう。

STEP
信頼できる情報源から最新情報を収集する

ステマ規制は始まったばかりです。今後も法規やガイドラインが変わる可能性があります。

公式発表の確認

消費者庁などの政府機関の発表を定期的にチェックしましょう。一般社団法人クチコミマーケティング協会(WOMJ)などの業界団体の文書も確認しましょう。

情報収集ツールの活用

「Googleアラート」などがおすすめです。「ステマ」などのキーワードで最新情報を自動収集できます。

STEP
困ったときは専門家に相談する

独断は避ける

景品表示法やステマ規制はルールが多いので、自社担当者だけで判断するのは困難です。迷ったときは、弁護士などの専門家に相談しましょう

広告専門の弁護士

広告表示の法規制は広範囲です。専門外の弁護士では全てを把握しきれないこともあります。

パートナー選びの重要性

「うちなら派手なことができます」や「うまくやれます」と提案する広告会社には要注意です。ステマや無茶な訴求を提案する場合があります。特にInstagramとTikTokでの虚偽・誇大な表示に警戒が必要です。信頼できるパートナー選びがリスク回避の鍵です。

問い合わせフローの整備

消費者から「怪しい広告」と連絡があった場合。すぐに法務、広報、マーケティング部門に共有する仕組みを整えましょう。

まとめ

景品表示法とステマ規制は非常に重要な法律です。今後の広告表示に関する法規制はさらに厳しくなるでしょう。新しい広告手法が登場するたびに、新たな規制が設けられると予想されます。

透明性と誠実さは、今後のマーケティング活動に不可欠です。業務負担は増えるかもしれませんが、これは消費者の信頼を勝ち取るために必要なことです。

健全な市場を維持するためにも大切なプロセスです。また、リスクを避け、企業の信頼性を高めるためにも、本記事のポイントを参考にして適切な対策を講じていきましょう。

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