リッチメニュー、うまく“働いて”ますか?
LINE公式アカウントを運用していると、
ふとこんな瞬間があると思います。
- デザインは整えたのに、反応が伸びない
- ボタンを置きすぎて、逆に迷わせている気がする
- どこを直せば数字が動くのかが分からない
- メッセージは改善しているのに、リッチメニューは放置気味
実はこれ、特別なことではありません。
多くのリッチメニューが“本来の役割”を果たせていないだけです。
リッチメニューはただの画像ではなく、
「売上につながる導線のスタート地点」です。
ここが整うだけで、
予約・購入・問い合わせの動きが素直に変わります。
この記事では、
“今日から直せる改善ポイント” だけに絞って、
プロが現場で実際に使っている考え方を整理しました。
リッチメニューが成果につながらない“本当の理由”
リッチメニューの改善は、デザインや操作の話ではなく、
“構造上のズレ”を正すところから始まります。
実際に成果が出ていないアカウントには、
ほとんどの場合、次の3つの共通点があります。
❌ よくある原因①
「たくさん載せれば親切」だと思ってしまう
気づくとボタンが6個、8個、10個…。
でも、ユーザーが求めているのは
「今の自分がやりたいことに、最短でたどり着くこと」だけ。
項目が多いと迷うし、
迷うと押されません。
▼ 今日からできる改善
- 最重要の行動を“ひとつ”決める
- よく押される2〜3個に絞る
- その他は外部ページにまとめて逃す
これだけでクリック率が変わります。
❌ よくある原因②
デザインは綺麗なのに、配置の“順番”が逆
ここ、実は一番影響が大きい。
ユーザーの視線は
「左上 → 右上 → 左下 → 右下」
に流れます。
つまり、
- ゴール(予約・購入)が右下にある
- 重要でもない情報が左上にある
- 使われないボタンが中央にある
こういう配置だと
“押されるべきボタンが押されない”
という現象が起きます。
▼ 今日からできる改善
- 一番押してほしいボタンは左上
- 次に押してほしい導線は右上
- 情報系は下段にまとめる
シンプルな調整だけで改善します。
❌ よくある原因③
分析していない=改善の根拠が生まれない
よく聞く悩み:
「どのボタンが押されてるか正直わからない」
「タップ率の判断材料がない」
でも、LINE公式でも十分分析できます。
- リッチメニューのクリック数
- URLのパラメータ計測
- 月ごとのタップ差
- ボタンごとの離脱率
▼ 今日からできる改善
- ボタンのリンクにパラメータをつける
- 毎週クリック率を記録する
- 反応のないボタンを削除する
- よく押される導線だけを残す
改善の材料が揃うと、
リッチメニューは必ず動き始めます。
リッチメニューは「配置で成果が変わります」
実務でよく使われる“3つの設計パターン”
リッチメニューのタップ率は
ボタンの“配置”だけで2〜5倍変わることがよくあります。
どれが正解というより、
扱うサービスやユーザーの目的で“向いている型”が違います。
ここでは、実務で最も成果が出やすい
3つの設計パターンを整理しておきます。
① 目的から“逆算”して配置する
リッチメニューは
「何を置くか」ではなく
「どこに置くか」で成果が大きく変わります。
- 最終ゴール(予約・購入)が左上
- 比較や確認行動は右上
- 情報系は下段にまとめる
これだけでユーザーの動線が整います。
② “ボタンの数”より、“選択のしやすさ”を優先する
よく押されるボタンの共通点は2つ:
- 少ない(2〜4個)
- 役割が明確
ボタンが6つ以上になると、
ほとんどのユーザーは“押す理由を見失う”ため、
結果として下段のボタンはほぼ使われません。
③ データを基準にして改善を続ける
リッチメニューは「作って終わり」が一番危険です。
- タップ率
- ゴール到達率
- どのボタンが“死んでいる”か
- 時期ごとの変化
これを月1でもいいので記録すると、
改善ポイントが明確になります。
リッチメニュー配置には“複数の正解”がある
リッチメニューはUI設計そのものです。少しの配置変更で成果が変わります。
もちろん「絶対的な正解配置」はありません。
業種・商品・ユーザーの導線によって“適切な型”が変わります。
ここでは、実務で最も使われる3つの型に分けて整理します。
【視線誘導型】左上=ゴール配置(王道)
一番よく使われる“王道”アプローチ
ユーザーの視線が左上 → 右上 → 下へ流れる特性を利用した配置。
▼ この型の配置
| 最重要ゴール (予約 / カート / 商品一覧 / 購入導線) | 比較・検討系 (料金 / メニュー / サービス紹介) |
| 補助情報 (アクセス / スタッフ / SNS / 会社情報) | |
▼ メリット
- 予約・購入など“成果の数字”が伸びやすい
- 特に初回接触ユーザーに強い
- 美容/飲食/ECで最も実績がある
▼ 弱点
- ユーザーが“目的が明確”な場合に強いが、
回遊促進には弱いこともある
【回遊促進型】目線誘導より“選択肢のまとまり”を重視
視線の流れよりも
「ユーザーが理解しやすい情報のまとまり」
を優先した型。
Webのメガメニューに近い設計
▼ この型の配置
| 行動 (予約 / 購入 / 問い合わせ) |
| 情報 (料金 / メニュー / スタッフ / アクセス) |
▼ メリット
- ボタンを見た瞬間に“全体像が掴める”
- 回遊率(ページ閲覧)を上げやすい
- スマホで見たときの視認性が高い
▼ 弱点
- 成果導線を“最上位表示したい”業種にはやや不向き
【ワンアクション型】ボタン少数・目的一点集中
“迷わせない設計”。
ボタン数を減らし、
「とりあえずここ押せばOK」
という 一点集中導線 を作る。
▼ この型の配置
| 予約 | クーポン | 商品一覧 |
大きいボタン2個〜3個で完結
必要な情報は全部外部ページに逃がす。
▼ メリット
- タップ率が非常に高い
- 行動が一つに絞られたサービスに強い(美容院・飲食)
- 施策の効果が測りやすい
▼ 弱点
- 情報量が必要な業種には不向き
(不動産・教育・BtoBなど)
さらに補足:右下の“直感タップ”も活かす
3つの型を基本にしつつ、
スマホの特性上 右下はタップされやすい位置 になる。
使い方の例:
- 今日のクーポン
- 今日のおすすめ
- すぐ予約
- チャット相談
など“軽く押せるもの”を置くと、反応率が伸びる。
これを 王道型や回遊型に組み合わせると最強。
押されるデザインの作り方(今日から見直せるチェックポイント)
成果を出しているリッチメニューには
視覚的な共通点があります。
難しいデザインスキルは不要。
次のチェックを満たせば“押したくなる見た目”になります。
● 明度差をつける
押されるボタンは、
背景とボタンの“色差”が強い。
- ベースカラーが白ならCTAは濃い色
- ベースが黒ならCTAは明るい色
- 同系色は避ける
明度差だけでクリック率が変わります。
● 文言は短く・太く・はっきり
スマホで読む前提なら
8文字以内が理想。
例)
- 予約する
- クーポン
- 新商品
- 今週のおすすめ
情報ではなく「行動の名前」を置くのが鉄則。
● アイコンを使う(人は形で判断する)
- 予約 → カレンダー
- クーポン → チケットアイコン
- メニュー → リスト
形があるだけで“押せそう感”が出る。
テキストだけより反応率は高い。
● スマホで必ず確認する
PCで作ったまま公開すると、
文字が小さすぎる・情報が潰れる・色が沈むなど、
必ずズレが出ます。
スマホ確認は必須。
属性や行動に合わせて“出し分ける”という考え方
リッチメニューは
全ユーザーに同じものを見せる仕組みです。
しかし本来は、
ユーザーの状態によって見せるべきボタンは変わります。
▼ 例:美容室の場合
- 新規の人:料金・予約・クーポン
- 2回目の人:次回予約・スタイル提案
- 長期未来店者:復活クーポン
同じメニューを見せるのは非効率。
▼ 標準機能でできること
- 画像を時期で切り替える(期間設定)
- シンプルな表示のON/OFF
ただし条件による自動切替は不可。
▼ 条件で切り替えたいなら拡張ツール
- Lステップ
- エルメ
これらを使うと、
- 属性(性別・居住エリア)
- 行動(クリック、回答)
- 状態(新規・リピート)
でメニューを自動切替できます。
使うかどうかは状況によるけど、
「行動で導線を変えたい」なら導入メリットは大きい。
まとめ
リッチメニューは「デザイン」ではなく「導線設計」
リッチメニューを改善するときのポイントは、とてもシンプルです。
- 何を置くかより、どこに置くか
- 数を減らし、目的を明確に
- データを基準に改善する
- 状態に合わせて導線を変える
- “育てる前提”で更新していく
今日、この中のひとつでも直せば、
あなたのリッチメニューは間違いなく変わります。
そして、導線が整うと、
予約・購入・問い合わせの数字は自然と伸びていきます。

