この記事では、LINE公式アカウントの料金プランを詳しく解説します。
日本国内で9,700万人以上が利用するLINEは、今や生活インフラといえる存在です。
その中で提供されている「LINE公式アカウント」は、企業と顧客を直接つなげる強力なマーケティングツールといえるでしょう。
とはいえ、LINE公式アカウントの導入を検討中の方の中には、
「無料プランでどこまでできるの?」「有料プランのメリットは?」
と疑問に感じるケースも少なくありません。
そこで本記事では、LINE公式アカウントの無料と有料プランの違いや、メッセージ通数の仕組みをご紹介。
さらに、あなたのビジネスに最適なプランを見つけるためのヒントをお届けします。
ぜひ最後までお読みください。
LINE公式アカウントの料金プラン概要(2025年最新)
LINE公式アカウントには3つの料金プランがあり、利用目的やビジネスの規模に応じて選ぶことが可能です。
- コミュニケーションプラン
- ライトプラン
- スタンダードプラン
の3つです。
これらのプランは
- ショップカード発行
- クーポン作成
- リッチメニュー設定
の機能が利用可能です。
プランの違いは、1ヶ月に送れるメッセージ通数のみです。
まずは、各プランの基本情報を比較しましょう。
プラン名 | 月額固定費(税別) | 無料メッセージ数(月) | 追加メッセージ料金(税別) |
---|---|---|---|
コミュニケーションプラン | 0円 | 200通 | 追加不可 |
ライトプラン | 5,000円 | 5,000通 | 追加不可 |
スタンダードプラン | 15,000円 | 30,000通 | ~3円/通※ |
LINE公式アカウントの料金プランは、2023年6月1日に改定されています。
以前はフリープランで1,000通まで無料でしたが、現在は200通に減っているので注意しましょう。
LINE公式アカウントの各プランの主な違いと使い分け

それでは、LINE公式アカウントの料金プランの特徴と利用シーンを詳しく見ていきましょう。
①コミュニケーションプラン(月額0円)
対象者 | 個人事業主、小規模店舗など |
特徴 | 月額0円で、月200通まで配信可能 |
注意点 | 追加メッセージは送れない |
費用をかけずに始めたい事業者におすすめです。
友だちが100人なら、月に2回メッセージを無料で送ることができます。
無料枠を超えるメッセージは送れないので、友だちが増え、配信が必要になったら、ライトプランへの移行を検討しましょう。
②ライトプラン(月額5,000円)
対象者 | 小売店、美容サロン、飲食店など |
特徴 | 月額5,000円で、月5,000通まで配信可能 |
注意点 | 追加メッセージは送れない |
友だち数百~1,000人前後の事業者(小売店、美容サロン、飲食店など)におすすめのプランです。
定期的な情報配信に向いています。
月額5,000円で、月5,000通までメッセージを送れるため、友だち1,000人なら、月5回の配信が可能です。
クーポンやキャンペーンを定期的に届けたい場合に適しています。
ただし、このプランも追加メッセージは送れないため、大規模な配信にはスタンダードプランを選びましょう。
③スタンダードプラン(月額15,000円)
対象者 | 全国展開店舗、ECサイトなど |
特徴 | 月額15,000円で、月30,000通まで配信可能 |
注意点 | 費用対効果を最大化するには、配信設計が重要 |
友だち2,000人以上の大規模ビジネスや、LINEを主力チャネルにしたい企業におすすめです。
月額15,000円で、月30,000通まで配信できます。
友だち10,000人なら、月に3回のメッセージを送ることが可能です。
また、無料枠を超えた追加メッセージも配信でき、追加料金は配信数が増えるほど1通あたりの単価が下がります。
ただし、費用対効果を最大化するには、配信設計が重要です。
LINE公式アカウントのメッセージ通数のカウント方法と注意点
「思ったより早く上限に達してしまう」
これは、カウント方法の誤解が原因です。
LINE公式アカウントでは、1回の配信につき最大3つの吹き出しが、1メッセージとしてカウントされます。
そして「メッセージを送った回数」×「送った友だちの数」が「通数」です。
例えば、500人の友だちにメッセージを1回送ると、500通となります。
課金対象となるメッセージ
基本的に、企業からユーザーへ能動的に送るメッセージが課金対象です。
- メッセージ配信(絞り込み配信、ステップ配信含む)
- Messaging APIの「Push API」「Multicast API」「Broadcast API」「Narrowcast API」を利用したメッセージ
課金対象外となるメッセージ(無料)
すべてのメッセージ配信が課金対象ではありません。
次の5つのメッセージは課金対象外です。
これらを活用し、コストを抑えましょう。
- LINEチャット(友だちとの1対1のメッセージ送受信)
- 応答メッセージ(ユーザーからのメッセージに自動返信)
- あいさつメッセージ(友だち追加時に自動送信)
- Messaging APIの「Reply API」(ユーザーのメッセージにリアルタイム返信)
- LINE VOOMへの投稿・コメント
例えば、顧客対応をLINEチャットで行う場合、無料アカウントでも回数制限なしで対応可能です。
よくある質問への自動応答メッセージも無料です。
積極的に活用しましょう。
あなたのビジネスに最適なLINE公式アカウントのプランの選び方
「どのプランが良いんだろう?」と迷う方も多いのではないでしょうか。
プラン選びの基本は「友だち数×月間配信回数」で、必要なメッセージ数を計算することです。
「友だち数」と「配信頻度」で考えるシミュレーション
LINE公式アカウントのメッセージ配信頻度は、週1回、月に4回程度が適切とされます。
月4回配信を前提にしたシミュレーション例です。
友だち数 | 月間メッセージ通数合計(月4回配信) | 推奨料金プラン |
---|---|---|
0〜50人 | 200通 | コミュニケーションプラン |
51〜1,250人 | 2,000〜5,000通 | ライトプラン |
1,251〜7,500人 | 5,000通〜30,000通 | スタンダードプラン |
100,000人 | 400,000通 | スタンダードプラン+追加メッセージ |
※「友だち数」は、ブロック中や属性不明を除いた「ターゲットリーチ」数を指します。
コミュニケーションプラン(無料プラン)は、チャット機能でのやり取りや試験運用に適しています。
一方で、販促や集客に活用したい場合や、毎月200通以上の一斉配信が必要な場合は、ライトプランやスタンダードプランの利用がおすすめです。
迷ったら、LINEヤフーforBusinessの「LINE公式アカウント売上シミュレーター」も活用しましょう。
友だち数や配信回数など5項目を入力すると、最適なプランや月間売上がシミュレーションできます。
業種別のプラン選択事例
実際の業種別に、適したプランの具体例を見てみましょう。
小規模店舗(個人経営・美容室・カフェなど)
- 友だち50人以下で週1回配信:コミュニケーションプランで十分です。
- 友だち50〜150人で月1〜2回キャンペーンを配信:ライトプランで余裕があります。
リピーター施策にはライトプランが特に有効です。
中規模店舗(飲食店・サロン・小売店など)
- 友だち50〜1,000人程度で週1〜2回配信:ライトプランが適しています。
- 飲食店で週末予約案内、サロンで新メニュー告知などを配信:メッセージ配信数が増える場合は、スタンダードプランを検討しましょう。
大規模・EC事業者(多店舗展開、ECサイトなど)
友だち1,000人以上で週2回以上配信や、頻繁なキャンペーン実施にはスタンダードプランが必要です。
大規模顧客基盤や定期的なキャンペーン配信に向きます。
意外と知らない!LINE公式アカウントの有料オプションとその費用
意外と知られていませんが、LINE公式アカウントは、有料オプションで利便性を高められます。
LINEプレミアムID
プレミアムIDは、アカウントIDを任意の文字列に設定できる有料オプションです。
通常のベーシックIDはランダムな英数字です。
プレミアムIDなら「@shopname」のように分かりやすくなります。
- 料金: 月100円(税別)または年1,200円(税別)。
- メリット: ユーザーがアカウントを検索しやすくなります。ブランドの認知度や信頼性向上につながります。
チャットProオプション
チャットProオプションは、2025年3月4日に提供開始されたチャット強化オプションです。
項目 | 無料範囲 | チャットProオプション |
---|---|---|
月額費用(税別) | 0円 | 3,000円 |
チャット履歴保存期間 | 6ヶ月 | 5年間 |
チャット履歴のバックアップ | 不可 | 可能 |
チャットタグ作成数/付与数 | 作成:5個/付与:1個 | 作成:300個/付与:30個 |
ノート作成数 | 各チャットルーム1件 | 各チャットルーム1,000件 |
追加機能 | なし | カスタムフィルター |
長期間のチャット履歴を保存できるため、過去の対応履歴を参照し、顧客対応を行えます。
特にリピーターが多いビジネスや、問い合わせが多い業種に役立つでしょう。
LINE広告(友だち追加)
LINE広告(友だち追加)は、LINEアプリ内で広告を掲載するプロモーション機能です。
友だちを増やす目的で利用します。
トーク画面上部やLINEニュースフィードに広告を出せます。
- メリット: エリア、年齢、性別、興味などでターゲットを絞れます。効率良く友だちを増やし、来店促進につなげられます。
- 費用: 最低出稿額制限はありません。初期設定は手動入札で1クリック24円から。自動入札で36円から開始できます。
外部ツール連携や運用代行の費用
基本機能だけでは不十分な場合、外部ツールや運用代行を検討しましょう。
Messaging API連携ツール
Liny、L Message、Lステップなどがあります。
これらで高度なセグメント配信、ステップ配信、顧客管理、CRM連携が可能です。
別途月額利用料(数千円~3万円前後)がかかるのが一般的です。
クリエイティブ制作費
リッチメニューやリッチメッセージ、動画などの制作を依頼する費用です。
運用代行費用
社内リソースがない場合、専門業者に委託することも可能です。
月額固定で継続的に依頼する場合は月数万円程度の費用が掛かりますが、戦略設計から改善まで任せられるメリットがあります。
LINE公式アカウントの運用コストを抑え、費用対効果を最大化する運用術
「コストを抑えたいけど、効果は最大化したい」
誰もがそう考えますよね。
LINE公式アカウントは、工夫次第で少ない予算でも大きな成果を出すヒントを紹介します。
①課金対象外メッセージの有効活用
メッセージ通数を節約しつつ、ユーザーに情報を届けましょう。
チャット機能
1対1チャットはカウントされません。
個別フォローを充実させ、問い合わせや予約受付に活用しましょう。
メッセージ配信数を節約できます。
自動応答メッセージ
よくある質問には自動応答を設定しましょう。
人的コストとメッセージコストの両方を削減できます。
あいさつメッセージ
友だち追加時に自動送信されるあいさつメッセージもカウントされません。
LINE VOOMへの投稿
LINE VOOM投稿もカウントされません。
定期的な情報発信に活用し、ブランド認知度を高めましょう。
②絞り込み配信(セグメント配信)の徹底
全員に同じメッセージを一斉送信すると興味のないユーザーにも届いてしまい、ブロックや無視のリスクが高まります。
ターゲットを絞る
性別、年齢、地域などの「みなし属性」を使います。
ユーザーの行動履歴(メッセージ開封、リンククリックなど)も活用し、特定のユーザー層にのみメッセージを配信しましょう。
「必要な人に、必要な情報」を届けることで、無駄な通数を削減します。
ブロック率を下げ、開封率やコンバージョン率を高めます。
③シナリオ(ステップ)配信の活用
友だち追加時や商品購入時など、ユーザーの行動に合わせて自動でメッセージを配信します。
ステップメールのような「シナリオ配信」も有効です。
適切な情報が届くことで、顧客育成や購買意欲向上につながります。
④メッセージ・クリエイティブの質向上
メッセージ内容やクリエイティブは、反応率を左右します。
魅力的なコンテンツ
1通あたりの効果を高めるため、魅力的なクリエイティブ(画像、動画)を使いましょう。
心に響くコピーも意識します。
リッチメッセージ
テキストだけでなく、画像やリンク付きボタンを使います。
視認性と反応率を高める「リッチメッセージ」も効果的です。
A/Bテスト
どのメッセージが良いか検証し続けることが重要です。
⑤配信タイミングの最適化
「いつ配信するか」で開封率は大きく変わります。
ターゲット別の時間帯
ターゲット層のライフスタイルに合わせて、開封しやすい時間に配信しましょう。
主婦層は平日10〜12時、会社員層は平日19〜21時などが効果的です。
購買意欲の高いタイミング
給料日前やセール期間など、購買意欲が高まる時期を狙うのも有効です。
⑥ブロック率を下げるメッセージ設計
ブロック率を下げることは、長期的なコスト削減と効果向上に直結します。
ブロックされると友だち獲得コストが無駄になります。
ユーザーにとって価値あるメッセージを継続的に配信することが重要です。
適切な配信頻度
配信頻度を適切に調整しましょう。(週1〜2回が目安)
お得情報やクーポン
お得情報やクーポンなどの特典を定期的に提供しましょう。
友だち登録の価値を高めます。
双方向コミュニケーション
一方的な宣伝でなく、ユーザーとの双方向の交流を意識します。
エンゲージメントを高められます。
クーポンやショップカード機能の活用
LINE公式アカウントのクーポンやショップカード機能を活用しましょう。
メッセージ配信回数を減らしつつ、リピート率を高められます。
クーポン配信
「初回限定〇〇%OFF」や「雨の日限定割引」など、即時集客や来店促進につながるクーポンを配信しましょう。
ショップカード
来店ごとにポイントを付与します。
さらに、特定のポイント数で特典をプレゼント。
紙のポイントカード不要で再来店を促せます。
限定オファー
誕生日クーポンや会員限定割引など、特別感あるパーソナライズされたオファーを提供します。
顧客のロイヤルティを高められます。
⑦分析と改善のサイクルを構築
LINE公式アカウントには、開封率・クリック率・ブロック率などの分析機能があります。
これらを活用し、定期的に配信内容を見直しましょう。
- 指標の確認: 毎回の配信後に数値を記録し、月次で全体傾向を分析することが重要です。
- PDCAサイクル: 「分析 → 改善 → 再配信」のPDCAサイクルを回し続けましょう。同じ施策でも成果が変わってきます。
LINE公式アカウントの料金プラン変更のタイミングと注意点
LINE公式アカウントの料金プランは、月単位で途中変更が可能です。
ビジネスの成長やキャンペーンに合わせて、柔軟にプランを変更できます。
アップグレード(上位プランへの変更)
- タイミング: 月の途中でも即座に変更可能です。
- 料金: 変更後のプランと現在のプランの差額を支払えば、すぐに新しいプランの配信数が利用できます。
- 例: 「無料プランから始め、友だち増加で有料プランに切り替える」「夏のセール時期に配信数を増やし、閑散期は減らす」など柔軟な運用が可能です。
ダウングレード(下位プランへの変更)
- タイミング: 申請した月の翌月からの適用です。変更する際はタイミングに注意しましょう。月の途中で申請しても、当月は現在のプランが継続されます。
- プラン変更のベストタイミング: メッセージ配信数が上限の80%に達したときに検討すると良いでしょう。配信制限による機会損失を防ぎ、スムーズな運用が可能です。
LINE公式アカウントの料金の支払い方法
LINE公式アカウントの料金は、クレジットカード払いと請求書払いを選べます。
クレジットカード払い
VISA、Mastercard、JCB、AmericanExpressなど主要ブランドに対応しています。
手軽に利用できます。
請求書払い
利用には「認証済みアカウント」への申請が必要です。
支払いのタイミングは異なるため注意しましょう。
- 『月額固定費』は月初に前払い
- 『追加メッセージ料金』は月末締め翌月10日頃の請求

まとめ:最適なLINE公式アカウントプランを選んでビジネスを加速させよう!
結論として、LINE公式アカウントには無料プランを含めた3種類が存在します。
そして、それぞれで「月間メッセージ通数」が大きく異なります。
したがって、最適なプランを選ぶためには以下のステップが有効です。
コミュニケーション(無料)、ライト(5,000円/月)、スタンダード(15,000円/月〜)です。
高度な機能や運用効率を求めるなら、外部ツールやオプションの費用も予算に含めましょう。
メッセージの質を高め、セグメント配信やシナリオ配信を活用し、効率的な運用を目指しましょう。
さらに、外部ツールやオプションも含めて総合的に判断すれば、無駄なコストを削減しつつ効果を最大化できます。
つまり、LINE公式アカウントの費用は単なる支出ではなく「投資」です。
まずは無料プランから始め、事業の成長に合わせて段階的にアップグレードしていきましょう。